「チケットは人脈⁉︎」宝塚歌劇の基礎知識からディープな魅力まで、宝塚好きタレントが徹底解説!

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圧倒的な歌唱力とパフォーマンスで、多くのファンを虜にする、宝塚歌劇団。

今回は、そんな宝塚歌劇団を愛してやまない、プラチナムプロダクション所属のタレント3名が、宝塚歌劇団の魅力について語りまくります!

推しのスターからチケットの取り方まで、宝塚を語り出したら、この3人は止まらない……?

樹奈(じゅな):右

1999年4月20日生まれ、埼玉県出身。ファン歴5年目/推しのスターは潤花
趣味は宝塚観劇、パン屋巡り、ヘアアレンジ。 女優、モデルとして活動している。 

平岡 映美(ひらおか えいみ):中央

1998年11月6日生まれ、東京都出身。ファン歴2年目/推しのスターは礼真琴
4歳の頃から女優、モデル、声優など幅広く活躍。 ドラマ「十津川警部の事件簿」や「今夜すきやきだよ」実写版「映像研には手を出すな!」などに出演し、今後ミュージカルの仕事も決定している。

星野 芽生(ほしの めばえ):左

1994年3月2日生まれ、兵庫県出身。ファン歴3年目/推しのスターは桜木みなと
ドラマや映画などお芝居を中心に活動中。TX「サンドナイツがプロ野球選手だけの居酒屋はじめました」、映画「死にたい。でも、死ねない」に出演。

■沼は意外とすぐそこに

____今回は、宝塚歌劇の大ファンであるお三方に、宝塚歌劇についてたっぷり語っていただきたいと思います! まず、3人が宝塚歌劇を好きになったきっかけについて教えてください。

樹奈:私は、何かミュージカルを見ようと探していたときに、たまたま宝塚歌劇の存在を知ったのがきっかけです。そのときに“朝美絢さん”という方を初めて知って、あまりのかっこよさにハマってしまいました。

▲宝塚歌劇オフィシャルサイトより引用
https://kageki.hankyu.co.jp/star/asami_jun.html

樹奈:朝美絢さんはテレビに出演するとTwitterでトレンド入りするくらい有名な方なんです。当時私は高校生だったんですけど、朝美絢さんのことを知った次の日は、学校の授業の内容が何1つ入ってこないくらい頭がいっぱいになりました(笑)。

──まさに虜になってしまったんですね。それから、実際に演目を見に行ったりしたんですか?

樹奈:見に行きました。初めて見た演目は、2018年に雪組が上演していた『ひかりふる路』『SUPER VOYAGER!』です。当日券を買うために2月の寒い時期に、朝の7時から並んでチケットを買って見に行きましたね。生のパフォーマンスは衝撃的で、そこからさらに宝塚歌劇の沼にハマっていきました。

▲宝塚歌劇オフィシャルサイトより引用
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2017/hikarifurumichi/poster.html

──平岡さんが宝塚歌劇を好きになったきっかけを教えてください。

平岡:私は、コロナでお家時間が増えたときに、テレビをつけたらたまたま宝塚歌劇が流れていたのを見て知りました。もともとミュージカルが好きだったので、その宝塚歌劇の映像を見て、すごく感動したんです。あとは母が高校時代に追っかけをしていたこともあり、どんどん沼にハマっていきました。

星野:高校生で追っかけをしていたんですか? それはすごい!

平岡:母は女子校だったんですけど、クラス全員で劇場に行くほどだったそうです(笑)。ちなみに母は、コーヒーとサンドウィッチを渡す係だったそうですよ。

樹奈:えー! いいなあ。

平岡:母が宝塚歌劇にすごく詳しいので、いろいろ教えてもらってます。今は全公演行くぐらい大好きです!

──星野さんの好きになったきっかけを教えてください。

星野:私は友達に誘われて見に行ったのがきっかけです。『アクアヴィーテ‼︎』という作品を見に行ったんですけど、お酒がテーマになっている作品で、生徒さん(宝塚歌劇団の団員のこと)がお客さんに乾杯をしてくれるんですよ。

星野:実は、見に行くまで宝塚歌劇を少し毛嫌いしていたところがあったんですけど、生でショーを見て衝撃を受けました。『アクアヴィーテ‼︎』を見てからというもの、誘ってくれた友達からDVDを借りまくり、暇さえあれば宝塚歌劇を見ていましたね。

▲星野さんがハマるきっかけになった『アクアヴィーテ!!』のポスター(宝塚歌劇オフィシャルサイトより引用https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2019/eljapon/index.html

■個性豊かな5組による劇団

──そもそも、宝塚歌劇とはどのような劇団なんでしょうか?

平岡:宝塚歌劇は、「花組」「月組」「雪組」「星組」「宙組」の5つの組で構成されている劇団なんです。劇場は、東京と兵庫の2箇所にあるんですけど、この5組が変わる代わるさまざまな演目を行っているんです。それぞれ個性があるのでどの組をみても、楽しめるのが醍醐味です。

──それぞれの組には、どのような違いがあるのでしょうか?

星野:花組は宝塚歌劇の中でも1番歴史が古い組で、宝塚歌劇の象徴のイメージですね。真矢ミキさんや真飛聖さんは花組になります。

▲宝塚歌劇オフィシャルサイト「初心者ガイド」より引用https://kageki.hankyu.co.jp/beginner/5min.html

星野:月組は花組と同じくらいの歴史を持つ組で、お芝居の組と言われています。天海祐希さんや黒木瞳さんなどが所属していましたね。雪組は、日本舞踊などの日本物のお芝居が多いです。星組は情熱的で、熱い組という感じです。私のイメージでは、アイドル要素が強い感じがします。ショーも、「熱いぜ! イェーイ!」って感じで盛り上がるイメージ(笑)。

樹奈:宙組は1番新しい組です。歌が上手いのと、現代物の演目が多いですね。あと、男役娘役ともに高身長な方が多いイメージです。

──専科というのは、どういった組なんですか?

樹奈:専科は、どこの組にも属さず必要に応じていろんな組に出る組ですね。オールマイティーになんでも演じられる方が多いです。

平岡:おじさん役やお父さん役のような、特殊な役を演じています。

──それぞれの組に、個性があるんですね。

星野:組によってカラーが全く違うので、どの組の公演を見てもおもしろいんですよね。あとだいたい組に属している生徒さんは研20(けんにじゅう)くらいまでなんですけど、専科は何十年と演じている方もいるので、大ベテランの方もいらっしゃいます。

──研20……?

平岡:宝塚歌劇では、入団の年数を研究科何年目というふうに言うんです。だから、宝塚入団10年目の方は、研10という数え方をします。あと、出演者の方は「生徒さん」と言いますね。私も最初なんのことか分かりませんでした(笑)。

──なるほど。宝塚用語になるんですね。

■劇団の頂点、トップスターとは

──みなさん、“推し”の生徒さんはいるんですか?

樹奈:私は潤花さんです。新人公演でヒロインを演じていたときの潤花さんの映像を見て、「あ、この人だ」と思いました(笑)。ラインダンスっていう宝塚歌劇の有名なパフォーマンスがあるんですけど、そのときの潤花さんの踊りのキレがすごくて、表情もビッグスマイルで可愛くて、次の作品からさっそく入出まちをし始めました。

▲潤花(宝塚歌劇オフィシャルサイトより引用)https://kageki.hankyu.co.jp/star/jun_hana.html

──“入出まち”をすると、生徒さんに直接会えたりするのですか?

樹奈:本人と会えることもあります! トップスターさんだと難しいかもしれないんですけど、お手紙を渡したり、少しお話しできたりもするんですよ。

──そんなチャンスがあるんですね。次は、平岡さんの推しを教えてください。

平岡:私の推しの方は、礼真琴さんです。星組のスターなんですけど、歌もダンスも最高なんです! 歌っている動画がTikTokでバズったりしているんですけど、とにかく歌が上手くて、踊りながら歌っても全然息切れしないんです。直接歌を聞いたときの迫力がすごくて、好きになりました。

▲礼真琴(宝塚歌劇オフィシャルサイトより引用)https://kageki.hankyu.co.jp/star/rei_makoto.html

──なるほど。星野さんの推しを教えてください。

星野:桜木みなとさんです。宝塚歌劇を好きになったきっかけでもある、「アクアヴィーテ‼︎」を見に行ったときに乾杯してもらったのが、この方だったんです。それからずっと好きですね。お芝居の雰囲気が公演のたびに違っていて、生で見るとすごいんですよ。

▲桜木みなと(宝塚歌劇オフィシャルサイトより引用)https://kageki.hankyu.co.jp/star/sakuragi_minato.html

──みなさんに挙げていただいた推しの方たちは、宝塚歌劇の中でも代表的なトップスターの方たちなのでしょうか?

星野:宝塚歌劇でいうトップスターというのは、組を代表する男役の人のことを言うんです。この中だと礼真琴さんが星組のトップスターですね。

──なるほど。スターというのは、どのようにして決まっていくんですか?

星野:“トップ路線”っていうのがあるんですけど、新人公演の主演を務めること、その新人公演後のバウホール公演の主演を務めること、大阪と東京で上演する演目で主演を務めること。この3つを制覇すると、トップ路線と言われることが多いです。

樹奈:全国ツアーの主演をされていたら、そろそろトップになるのかな、という感じがします。

平岡:自分の好きな方がトップになってほしいから、貢献じゃないですけど、推しのブロマイドを大量に買ったりしますよ。

▲大量のブロマイドを大切に保管している平岡さん

星野:それとは別に、“別格”というのもあって、重要な脇を固める役をする方たちもいます。

──それはトップスターとは違うんですか?

星野:スターとは違うんですけど、演目には絶対に必要とされていて、バイプレイヤーっていう感じですね。

■「ファン」と「生徒」の距離感

▲宝塚ポーズをする3人

──“入出まち”という話も出てきましたが、ファンが生徒さんと触れ合う機会は、ほかにもあったりするのでしょうか?

樹奈:“お茶会”とかに参加すると、好きな生徒さんと交流することができたりしますよ。

──お茶会……? 星野さん:ホテルのような場所で、生徒さんのお話を聞く会のイメージですかね。

樹奈:公演の裏話やオフのときのお話を聞いたり、一緒に写真が撮れたりするんですよ。

平岡:これの何がすごいって、お茶会は公式が運営しているのではなくて、ファンの方たちが運営しているっていうところなんです!

──ファンの方が運営!? そんなことがあるんですね。

樹奈:宝塚歌劇には、公式ファンクラブの「宝塚友の会」というのがあるんですけど、それとは別にファンが運営する「私設ファンクラブ」というのがあるんです。その「私設ファンクラブ」の幹部さんたちが、お茶会の場所を準備したりするんですよ。

──ファン自らがイベントの運営を行うんですね。それはすごい。

樹奈:ほかにも、そういった会ではチケットのやりとりをしてくれたりするんです。今は当日券の販売をしていないので、チケットを買うためには、オンライン購入か人づてで手にいれるパターンが多いです。人気の演目とかだと本当にチケットが取れないので……。チケットは人脈がけっこう重要です‼︎

▲「チケットには人脈が重要」と語る樹奈さんは最大限にファンのネットワークを活用し、頻繁に公演に足を運んでいるとか

星野:たしかにチケットの入手は、宝塚好きの人と仲良くなるのが1番早いかもしれません。一般には出回ってないけど、私設ファンクラブで余っているものがあったりするので。

──宝塚ファンは、横とのつながりも強いのですね。入出待ちやお茶会など、出演者とファンの距離感が近いのも、宝塚歌劇の魅力のように感じますね。

平岡:そうですね! 生徒さんとお近づきになれる距離感というところも、宝塚歌劇にハマった理由の1つです。

樹奈:入出待ちをしてお目当ての方に会えたときに、「今日見ます」と伝えると、「どの辺りで見るんですか?」と聞かれて、自分がどの辺りから見るのかを言うと、「じゃあその辺見ますね」とか言ってくださったりするんです!

星野:ショーの最中にウインクを近くでしてくれたりもしますよね。

──いろんなファンサービスがあるんですね。上演中でもステージ上からファンの目線に気づいたりするものなのでしょうか?

樹奈:オペラグラスで生徒さんを見ていると、そのグラスの反射で気づいてくれるみたいです。特に新人の方や下級生だと、まだファンもたくさんいるわけではないので、より距離感は近いかもしれませんね。ファンがまだ少ない方だと、渡したお手紙に直筆でお返事をくれたりもするんですよ。

星野:こういった交流ができるのも、ファンからするととても嬉しいですよね。

樹奈:返事が来ることが、もうすごいことなんですよ。この距離感がいいですよね。

■溢れ出る宝塚歌劇の魅力

──みなさんが思う、宝塚歌劇の魅力とはなんでしょうか?

樹奈:やっぱり華やかさと、品の良さだと思います。宝塚歌劇を見に行くだけで背筋がピンとするというか、身だしなみもちゃんとしようって思わせてくれるんです。スターさんやジェンヌさんの考え方や美容法も真似してみたりして、自分にもいい影響があるし、一緒に磨かれていくような感じがします。入り待ちやお茶会の機会で、近くで接するときは、特にちゃんとしようって思いますね。

──星野さんは、宝塚歌劇のどんなところを魅力に感じますか?

星野:私は、舞台装置の大きさやダイナミックさに惹かれます。あと、小道具の細かさとかもすごいなと思いますね。

──たしかに、こうしてグッズのお写真を拝見すると、宝塚歌劇に使われている小道具や衣装って、豪華なイメージがありますね。

平岡:カツラとかは、生徒さんが自分で特注して作っているそうですよ。

星野:宝塚歌劇って、男役と娘役があるんですけど、必ずしもやっているわけではありませんが男役のカツラは娘役が手入れしたりもするそうです。メイクもすべて自分たちでしていて、すごいですよね。

樹奈:アクセサリーも自分で作ることが多いみたいです。だから娘役さんが退団したあと、アクセサリーブランドを始めることもあります。今私がつけているイヤリングとネックレスも、OGの方が手作りで作ったものなんですよ。

──平岡さんは、宝塚歌劇の魅力をどこに感じていますか?

平岡:私は、宝塚歌劇の圧倒的な非日常感に惹かれます。私が宝塚歌劇に出会ったのがコロナ期間だったっていうのもあり、より現実世界とのギャップを感じました。また、そのとき『#愛してるよ宝塚歌劇団』というタグがTwitterで回っていて、コロナで公演が中止になってしまった宝塚歌劇に向けて、たくさんの応援ツイートがされていたんです。そのことに対してスターさんが触れていたりして、みんな同じ気持ちでいるよっていう一体感にも感動しましたね。

■止まる事のない宝塚歌劇談義

──こうして皆さんのお話を聞いていると、実際に宝塚歌劇の世界観を体験してみたくなってきました…!

星野:ぜひ!!! 宝塚歌劇って主演のスターさんはもちろん魅力的ですが、周りの役を演じている方も、お芝居だったり演出が日々変化させてくるからおもしろいんですよ。同じことの繰り返しじゃない“生”のパフォーマンスが感じられるのが舞台の醍醐味!

樹奈:分かります! あと男役の演技って、情熱の中にすごい優しさを感じません? それも生で見るとより伝わってくるんですけど、それも魅力ですよね。

平岡:女性が男役を演じるって少し独特な世界なんだけど、だからこそ100年以上も続く劇団なんですよね。

星野:あー、私もこう語っていると観に行きたくなってきました!!!!

3人の宝塚談義はまだまだ終わりが見えないようですが、今回はここまで。

3人の語っている様子を見ていると、だんだん宝塚歌劇を見たくなってきますよね?

ぜひ興味が湧いた方は、生のステージを見に劇場に足を運んでみてください!

▲左から樹奈、平岡映美、星野芽生

引用:宝塚歌劇オフィシャルサイトhttps://kageki.hankyu.co.jp/

【執筆・撮影】
高山諒(プラチナムタイムズ編集部)

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