こんにちは、プラチナムタイムズ編集部です!
本コラムでは芸能事務所の現役マネージャーでもある編集部メンバーが、最近気になったエンタメ業界を驚かせたビジネスニュースに対して “マネージャー視点” で取り上げる対談企画です。
◆GYAO!やLINE BLOG、続くサービス終了!
<参考記事>
GYAO!:サービス終了のお知らせ
https://gyao.yahoo.co.jp/thankyou
1月はサービス終了のニュースが多かったですね。
まずは、動画配信サービスのGyao!が3月末でクローズ。テレビ番組の公式配信サービスの老舗でしたが、TVerに道を譲る形になります。
Gyao!は、2015年以降にM-1グランプリとワイルドカード枠や順位予想三連単企画、決勝直後の反省会配信など様々な企画を行なってきたことも印象深いですね。
今年からM-1配信パートナーがどうなるかも気になります。
そして、ライブ配信サービスのLINE LIVEも3月末でサービス終了することを発表しました。
個人ライバーの配信もありましたが、LINE LIVEといえば東京ガールズコレクションや関西コレクションといった大型イベントの無料生配信のプラットフォームとしても活用されていました。
同社のサービスでは、LINE BLOGも6月末に終了となります。
上記3つのサービス終了告知後には、Gyao!の運営元であるZホールディングス、TVer、LINE、ヤフー、Z Entertainmentの5社での業務提携を発表しましたね。
<参考記事>
Impress Watch:TVerとZHDが業務提携 ヤフーやLINEのエンタメ活性化へ
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1474462.html
動画関連のリソースは、LINEが提供する縦型ショート動画の「LINE VOOM」に集約していくとのことで、今後の機能アップデートなども気になりますね。
◆YouTubeショート、広告による収益化スタート!
<参考記事>
ITmedia NEWS:YouTubeショート、広告による収益化が2月1日にスタート
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2301/10/news066.html
2月1日からYouTubeショートの収益化がスタートしました。
ショート動画では特定の動画内に広告が入るのではなく、動画と動画の間に視聴された広告を視聴回数などに基づいてクリエイターに分配していく方式になります。
従来の収益化条件は、チャンネル登録者数1000人以上かつ、直近1年間に公開した動画の総再生時間が4000時間以上というものでしたが、そこに直近90日間のショート動画視聴回数1,000万回以上という選択肢も増えました。
長尺動画は作れないけど、短尺動画が得意なクリエイターなどもYouTube上で対価を得られるようになりましたね。
TikTokでの収益化の手段は、広告案件の獲得とTikTokライブでの投げ銭になるため、通常投稿の収益化ができるようになったYouTubeにTikTokerが流れてくることもありそうです。
アメリカではTikTokの利用を禁止する法案を作成する動きがあったり、LINE LIVEのような突然のサービス終了があったりするので、特定のプラットフォームに依存し過ぎずに発信できる場所を多く持っておくのは今後必要になってきますね。
<参考記事>
産経新聞:米下院外交委、TikTok禁止法案を採決方針 利用禁止広がる
https://www.sankei.com/article/20230129-23SPZ65KFRN6LPGVF2V243W3EQ/
◆誹謗中傷対策、エンタメ各社で連携する動き
<参考記事>
TOKYO HEADLINE WEB:誹謗中傷やフェイク動画… デジタル時代のタレントを守るコンソーシアムが本格始動
https://news.yahoo.co.jp/articles/27899ebaa63956d0fd5630f3ce41cb7c918fe1d8
誹謗中傷やSNSでのトラブルなどのデジタル上での問題解決を目的としたコンソーシアム「デジタルエンタテインメントプロジェクト」が行なわれ、芸能事務所など13社が参加しました。
個別の事務所では対応しきれないことも、業界組織としてプラットフォームや行政に呼びかけることで解決できることもありそうですね。
昨年公開されたヤフーの「2021年度 メディア透明性レポート」では、誹謗中傷やわいせつ表現などの不適切なヤフーコメントが年間513万件削除されたと発表されていました。
コンソーシアムのように連盟で働きかけることで各プラットフォームの改善も行なわれていきそうです。
<参考記事>
YAHOO!JAPAN:メディア透明性レポート(2021年度版)
https://about.yahoo.co.jp/common/transparencyreport/
VTuver事業を行なう「にじさんじ」と「ホロライブ」の運営会社も誹謗中傷対策ののノウハウの共有や、まとめサイト運営者への交渉などを連携しながら取り組んでいくと発表していました。
<参考記事>
ORICON NEWS:「にじさんじ」と「ホロライブ」運営会社が誹謗中傷行為に共同声明 今後は2社で 「根絶に向けて邁進」
https://www.oricon.co.jp/news/2259442/full/
◆『週刊ザテレビジョン』が3月に休刊
<参考記事>
ENCOUNT:創刊40年「週刊ザテレビジョン」が3月に休刊 約4年で印刷部数半減
https://encount.press/archives/410491/
創刊40周年のエンタメ情報誌「週刊ザテレビジョン」が休刊になり、「月刊ザテレビジョン」としてリニューアル刊行することが発表されました。
WEB版の『WEBザテレビジョン』と連携して、新たなサービス、デジタル事業を展開していくようです。
ティーン向けファッション雑誌『Popteen』も2月1日付でウェブ版に移行しました。
<参考記事>
fashionsnap:雑誌「Popteen」がウェブ版に完全移行 月刊誌は事実上の休刊
https://www.fashionsnap.com/article/2023-02-01/popteen-web/
『週刊朝日』も5月末で休刊になり、今後も休刊&WEB版へ移行の流れは止まらなそうですね。
<参考記事>
テレ朝ニュース:「週刊朝日」5月末で休刊 1922年創刊「日本最古の総合週刊誌」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000283993.html
今月気になったニュースはこんなところで。
来月はどんな驚くニュースが入ってくるのか、今から楽しみです。
【執筆】
新保紘太郎(プラチナムタイムズ編集部)